「大学生でもカーリースって使えるの?」「使ったら損しない?」
車がほしいと思ったとき、そんな疑問が浮かぶ人は多いと思います。
僕は大学生の頃に車を持っていました。
この記事では、その経験とFP2級の知識をもとに、お金の面からカーリースを整理します。
結論:大学生でも使える場合はある。ただし「使える」と「使ったほうがいい」は別
結論から言うと、大学生でも契約できるカーリースはあります。ただし、契約できることと、自分に向いていることは別の話です。
理由は大きく3つです。
- 年齢の条件や連帯保証人(本人が払えないとき、代わりに支払う責任を負う人)の扱いが、会社ごとに違う
- 原則として途中で解約できず、解約できても解約料がかかることが多い
- 月額の料金だけで考えると、実際にかかるお金を見誤りやすい
この記事では、「契約できるか」だけでなく、「自分に向いているか」を判断するための材料を順番に説明します。
大学生はカーリースを契約できる?年齢・審査・連帯保証人の基本
年齢制限は会社によって違う
年齢の条件は、会社によって違います。法律上は、民法第4条で「年齢18歳をもって、成年とする」と決まっています。ただ、リース会社が独自に年齢や保証人の条件を決めているので、「18歳になれば必ず契約できる」わけではありません。
僕が2026年10月5日時点で公式情報を確認できた3社を、例として並べます。
| 会社 | 年齢の条件 | 学生・連帯保証人の扱い |
|---|---|---|
| カーリースカルモくん | 18歳以上75歳以下(運転免許を持っていること) | 収入のない学生も申し込める。18・19歳は審査のあとに連帯保証人が必要 |
| オリックスカーリース | 原則20歳以上75歳以下。18・19歳も申し込めるが、連帯保証が必須 | 学生は、定期収入のある人の連帯保証が必要 |
| KINTO | 18歳以上(契約が終わる時点で89歳以下) | 個人契約では連帯保証人は不要と案内されている |
※カルモくんとオリックスは各社の公式FAQ、KINTOは公式メディア(2024年3月時点)の記載をもとにしています。条件は変わることがあるので、申し込む前に必ず公式サイトで最新の内容を確認してください。
つまり、同じ大学生でも、会社が違えば条件が変わります。
1社の条件を見て「大学生はこうだ」と決めつけないことが大切です。
アルバイト収入で審査に通る?連帯保証人が求められる理由
審査は、会社が「毎月のリース料を、最後まで払えそうか」を確認する手続きです。
審査の基準は会社ごとに違い、事前には分かりにくいこともあります。
アルバイトだけの収入だと、「安定して払い続けられる」とは判断されにくいため、連帯保証人を求められることがあります。上の表のオリックスのように、学生は連帯保証人が必要と案内している会社もあります。一方で、連帯保証人は審査の結果によって必要になる、という会社もあります。
連帯保証人を頼める人がいない場合は、次のように考えるのが現実的です。
- 連帯保証人が不要と案内している会社(例:KINTOの個人契約)を選ぶ
- 申し込む前に、会社へ「学生の場合はどうなるか」を相談する
連帯保証人(親など)が負う責任を知っておく
連帯保証人を頼むときは、頼む側も頼まれる側も、責任の重さを知っておく必要があります。
- 保証人は、本人が払えないときに代わりに払う責任を負う(民法第446条)
- 保証契約は、書面(または電子データ)で結ばなければ効力がない(同条)
- 普通の保証人には「まず本人に請求してください」と言える権利があるが、連帯保証人にはその権利がない(民法第454条)
最後の点が大事です。連帯保証人は、本人が払えなくなったときに責任を負います。
しかも、リース会社から先に請求されても、「まず本人に言ってください」と断れません。
また、本人(契約者)から頼まれて保証人になった場合、保証人はリース会社に「本人の支払いの状況」を問い合わせることができます(民法第458条の2)。
親に連帯保証人を頼むなら、「万が一のとき、親に請求がいく」ことを、事前にきちんと話しておくのが大切です。
学生がカーリースを使うメリットと注意点
学生にとってのメリット
カーリースのいちばんの特徴は、毎月ほぼ一定の金額で車を使えることです。国民生活センターも、初期費用や維持費(税金・点検整備費など)がリース料に含まれる点を、カーリースの特徴として説明しています。
学生にとって、特に次の点がメリットになります。
- 車を買うときのような、まとまった初期費用を用意しなくてよい場合がある
- 毎月の支払いが一定なので、家計の管理がしやすい
- プランによっては、税金や点検の費用が月額に含まれている
ただし、何が月額に含まれるかは、会社やプランによって違います。ここは申し込む前に確認が必要です。
学生にとって特に注意したいデメリット(中途解約・走行距離・原状回復)
メリットだけを見て決めると、あとで困ることがあります。国民生活センターは、2025年9月に「カーリースに関する消費者トラブルにご注意!」と注意を呼びかけています。そこでは、次の点が説明されています。
- 原則として中途解約ができない。解約できる場合でも、解約料などがかかる
- 走行距離に制限がある場合が多い
- 車の持ち主はリース会社で、自分のものにはならない
学生は、卒業・就職・引っ越しなどで、車がいらなくなるタイミングが来やすいです。そのため、中途解約のルールは特に大事です。
2026年10月5日時点の公式情報では、会社によって扱いが違います。
| 会社・プラン | 中途解約の扱い |
|---|---|
| カーリースカルモくん | 公式FAQに「契約後の解約はできません」と記載されている |
| 短期カーリースカルモくん(カルモくんの別サービス) | 2年契約で、1年分の支払いが終わっていれば、解約金0円で中途解約できると案内されている |
| KINTO | (2024年3月時点の公式メディアの案内)「初期費用フリープラン」は解約時に解約金がかかる。「解約金フリープラン」は、月額利用料の5か月分に相当する申込金を支払うことで、解約金は0円と案内されている(車の状態によっては別途の精算がある場合がある) |
| オリックスカーリース | 新車は、各プランで決められた年数が過ぎたあとなら、解約金なしで終了できる場合がある(それより前に解約する場合は、所定の解約金が必要)。 |
また、走行距離の制限と、返却するときの原状回復(車を元の状態に戻す費用)にも注意が必要です。
- カルモくん:6年以下の契約は月平均1,500kmまでで、超えた分は1kmあたり8円。7年以上の契約は制限なし。返却時は原状回復が必要になる場合があります(「もらえるオプション」加入時は不要)
- オリックス:新車は月2,000kmまでで、超えた分は1kmあたり8円。返却時の車の傷み具合によって、解約金を請求される場合がある
国民生活センターには、4年契約のリースを入院のため中途解約し、約120万円の解約料を請求されたという60代の相談事例も紹介されています。学生の事例ではなく、金額は契約内容によって変わります。それでも、「解約すると大きなお金がかかることがある」という例として覚えておいてください。
契約する前には、次の点を必ず確認しましょう。
- 中途解約はできるか。できる場合、解約料はいくらで、どう計算されるか
- 契約が終わったとき、車の返却や精算はどうなるか
月額だけで判断しない:学生の家計で見る「総額」の考え方
月額に含まれるお金・含まれないお金
カーリースの広告には「月額◯円〜」と大きく書いてあることが多いです。
でも、車を使うために必要なお金は、リースの月額だけではありません。
例えば、僕が大学生のとき、車にかかっていたお金は次のとおりです。
| 項目 | 僕の大学時代 |
|---|---|
| 駐車場代 | 月およそ15,000円 |
| 任意保険(自動車保険) | 月およそ8,000円 |
| ガソリン代 | 月およそ20,000円 |
| 車両費・メンテナンス費用 | 親が負担 |
| 税金・車検 | 自己負担 |
駐車場代・任意保険・ガソリン代を合わせると、月におよそ43,000円です(15,000円+8,000円+20,000円)。年にすると約516,000円(43,000円×12か月)になります。ここには、親が負担してくれた車両費とメンテナンス費用は入っていません。自分で払っていた税金や車検費用も入っていません。
この表をカーリースに置き換えると、次のようになります。
| 項目 | 僕の大学時代 | カーリースの場合(一般的な考え方) |
|---|---|---|
| 車両費 | 親が負担 | リース料(月額)に含まれる |
| 税金・点検など | 税金・車検費用は自己負担 | プランによっては月額に含まれる |
| 任意保険 | 自分で払っていた | 含まれない場合がある(プランによる) |
| ガソリン代 | 自分で払っていた | 通常は含まれない(プランによる) |
| 駐車場代 | 自分で払っていた | 通常は含まれない(プランによる) |
僕の場合、親が払っていた「車両費」にあたるのが、リースの月額の中心部分です。
もし僕が自分で払う立場だったら、43,000円に、リースの月額が加わることになります。
ここで言いたいのは、「リースは高い」ということではありません。
月額の数字だけを見ると、実際に必要なお金の一部しか見えないということです。
何が月額に入っていて、何が別にかかるのかを、申し込む前に整理しておくことが大切です。
では、リースの月額はどのくらいなのでしょうか。
各社の公式サイトに載っている料金の例を紹介します(すべて税込)。
| 会社 | 車種 | 月額 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| カーリースカルモくん | ダイハツ ミライース(新車) | 14,190円〜 | 11年契約、頭金0円、ボーナス払いなし。税金や自賠責保険料などの法定費用込み(2026年1月時点の案内) |
| ニコノリ | ダイハツ ミライース(新車) | 5,500円〜 | ボーナス月に加算あり、頭金0円 |
| オリックスカーリース | ダイハツ ミライース(特選中古車) | 17,160円〜 | 中古車(2026年9月30日更新) |
カルモくんの解説では、軽ハイトワゴンは17,000円台〜、N-BOXなどのスーパーハイトワゴンは18,000円台〜とされています。同じ軽自動車でも、車種で月額は変わります。
頭金・ボーナス払いなしの新車の軽自動車なら、月14,000円台からが一つの目安です。
ただし、カルモくんの最安の例は11年という長い契約です。月額は、車種・グレード・契約年数・ボーナス払いの有無で大きく変わります。申し込む前に、同じ条件で複数社の見積もりを比べてください。
仮の例として、カルモくんの最安の月額(14,190円)に、僕の例(43,000円)を足すと、月に約57,190円です。アルバイト収入の平均(月約42,000円)を、約15,000円上回ります(57,190円−42,308円=14,882円)。駐車場代やガソリン代は地域や走行距離で変わるので、あくまで仮の計算です。
維持費の全体像は、別の記事でもくわしく説明しています。
バイト収入に対して、無理のない負担額はどう考える?
「いくらまでなら無理がないのか」は、人によって違うので、僕には断言できません。
ただ、考え方の手順は示せます。
- 毎月の手取りの収入を出す(アルバイト代、仕送りなど)
- 車以外の毎月の支出を引く(食費、通信費、家賃など)
- 残ったお金の中で、車にかかるお金を払えるか確認する
参考として、日本学生支援機構(JASSO)の「令和6年度学生生活調査」を見てみます。この調査では、大学学部(昼間部)の学生のアルバイト収入の平均が、年間で約507,700円でした。月に直すと約42,000円です。
つまり、車を持つと、平均的なアルバイト収入と同じくらいのお金が車に出ていく可能性がある、という感覚は持っておいたほうがよいと思います。そこにリースの月額が加わるなら、さらに慎重に考える必要があります。
なお、年に一度や2年に一度かかるお金(税金や車検など)を月の負担として考えるときは、「年額÷12」、「2年に1回のお金なら24で割る」のように、毎月に直して考えると、家計に当てはめやすくなります。僕の例の43,000円には、これらは入れていません。
購入・レンタカー・カーシェアと比べるとどう違う?
カーリースだけが選択肢ではありません。車を使う頻度や期間によって、向いている方法は変わります。ここでは、傾向を表にまとめます。
| カーリース | 車を買う | レンタカー | カーシェア | |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 少なくできる場合がある | まとまったお金が必要になりやすい | 基本的にない | 入会時の手数料など |
| 毎月の負担 | 一定(月額) | 維持費などがかかる | 使った分だけ | 使った分だけ(月額の基本料金がかかる場合あり) |
| 途中でやめやすさ | 原則難しい(解約料がかかることが多い) | 売却などで手放せる | いつでも | いつでも |
| 向いている使い方 | 毎日のように使う | 長く使う | 数日〜の旅行や帰省 | 週に数回など、短い時間の利用 |
カーシェアの一例として、タイムズカーの公式サイトでは、2026年10月5日時点で次のように案内されています。
- 料金は「15分220円〜」の時間料金
- 月額基本料金は880円。ただし、乗った月は基本料金が利用料金に充てられ、実質0円になる
- ガソリン代と補償は、利用料金に含まれている
- 学生プランでは、月額基本料金が無料
車を使う頻度が少ない学生は、こうした方法のほうが、結果的にお金の負担が小さくなる可能性があります。
カーリースが向いている学生・向いていない学生
ここからは、僕の考え(意見)です。ここまでの内容を踏まえて、次のように整理してみました。
向いている可能性がある人
- 毎日のように車を使う予定がある(通学、アルバイトへの通勤など)
- 在学中だけでなく、卒業後も車を使う予定がはっきりしている
- 連帯保証人を頼める人がいる(または、連帯保証人が不要なサービスがある)
- 月額に加えて、任意保険・ガソリン代・駐車場代を払っても、無理のない収入がある
向いていない可能性がある人
- 車を使うのが、週に1〜2回程度、または長期休みだけ
- 卒業後の進路が決まっておらず、車が必要かどうか分からない
- 連帯保証人を頼める人がいないのに、無理に契約しようとしている
- 月額以外のお金(保険・ガソリン・駐車場)を払う余裕が、アルバイト収入にあまりない
「向いていない」に当てはまる場合は、カーシェアやレンタカーのほうが、お金の負担が小さくなる可能性があります。
「車を持ちたい」という気持ちは大切ですが、契約したあとに払えなくなってしまうと、本人だけでなく、連帯保証人(親など)にも負担がかかります。無理をしないことが、いちばん大事だと思います。
契約期間は「卒業後」から逆算して考える
契約期間を決めるときは、「卒業したあとも、その車が必要か」から逆算すると考えやすくなります。
- 在学中の残りの年数と、契約期間を比べる。契約期間のほうが長い場合、卒業後も払い続けることになる
- 卒業後の進路(地元で就職するか、都市部に出るか、勤務地が変わるか)によって、車が必要かどうかが変わる
- 就職して車が必要なくなっても、原則として途中では解約できない
- 中途解約できるプランや、短期の契約もある(上で紹介した、短期カーリースカルモくんやKINTOの解約金フリープランなど)。ただし、条件があるので内容は確認が必要
契約年数の選び方は、会社やプランによって違います。申し込む前に、「卒業と契約期間のずれ」がないかを、必ず確認してください。
申し込む前のチェックリスト
最後に、ここまでの内容を、申し込む前の確認事項としてまとめます。
- 年齢の条件を満たしているか(会社ごとに違う)
- 連帯保証人が必要か。必要なら、頼める人はいるか。その人に責任の内容を説明したか
- 中途解約はできるか。できるなら、解約料はいくらか
- 月額に含まれるものは何か(税金・点検・任意保険など)
- 月額以外に、任意保険・ガソリン代・駐車場代がいくらかかるか。合計で毎月払えるか
- 契約期間は、卒業後の生活と合っているか
- 走行距離の制限は、自分の使い方に合っているか
- 返却するときに、原状回復の費用がかかるか
会社やプランを比べたいときは
「自分には向いていそうだ」と思ったら、次は具体的な会社やプランを比べる段階です。
大学生向けの選び方や会社の例は、次の記事で説明しています。
年齢を問わず、カーリース会社を詳しく比べたい場合は、こちらの記事もどうぞ。
まとめ:「使える」かではなく「自分に合うか」で選ぼう
この記事のポイントをまとめます。
- 大学生でも契約できるカーリースはある。ただし、年齢の条件や連帯保証人の扱いは会社ごとに違う
- 原則として中途解約はできず、解約料がかかることが多い。卒業・就職のタイミングは特に注意が必要
- 月額だけでなく、任意保険・ガソリン代・駐車場代を含めた「総額」と、自分の収入で払えるかを考える
- 車を使う頻度が少なければ、カーシェアやレンタカーのほうが向いていることもある
- 連帯保証人を頼むときは、親などの責任の重さをきちんと伝えておく
大切なのは、「契約できるか」ではなく、「卒業まで、そして卒業後も、無理なく払い続けられるか」です。
この記事が、車で損をする人を減らす一助になればうれしいです。